最近、スーパーのレジで会計をするたび、ふと思うことが増えました。
「あれ、前より高くなってないか?」
特に贅沢をした覚えはありません。いつも通りの買い物をしているだけなのに、レジに表示される合計金額が、じわじわと上がっている気がするのです。
家計簿アプリを開けば、「今月の食費:45,000円」と記録されています。先月より増えているのも一目でわかります。
けれど、そこでひとつの疑問が浮かびました。
「このお金、具体的に何に消えたんだろう?」
「食費 45,000円」という総額はわかっても、その中身は見えません。
野菜が高騰しているのか
最近、肉を買う頻度が増えたのか
お菓子や飲料の「ついで買い」が積み重なっているのか
それとも、いつも買っている定番商品そのものが値上げされたのか
家計簿をつけているはずなのに、一番知りたいはずの疑問には、手が届かないままでした。
そこで、過去のレシートを引っ張り出して見返してみました。
レシートには、知りたい答えがすべて残っています。
何を買ったのか
それぞれいくらだったのか
どこの店舗で買ったのか
けれど、紙のレシートは財布を圧迫し、放っておけばいずれ捨ててしまいます。 そして家計簿に残るのは、たった1行。
「◯◯スーパー 3,280円」

この履歴を眺めながら、「この3,280円の内訳ごと、家計簿に残せたらいいのに」と考え始めました。
もちろん、買った品目を1つずつ手入力するのは現実的ではありません。 スーパーで10点、20点と買い込んだ商品を、商品名と価格をポチポチ手動で入力する作業は、どれほど几帳面な人でも挫折します。
私がやりたいのは、「細かな数字を入力する作業」ではありません。 「自分のお金が、実際は何に変わったのか」を把握し、あとから振り返られる状態を作ることでした。
そうした背景から開発したのが、家計簿アプリ『家計ネコ』です。
『家計ネコ』では、レシートを読み取ることで、合計金額だけでなく購入した商品明細も一緒に記録できます。
たとえば「スーパー 3,280円」という記録の中に、
· 野菜
· 豚肉
· 牛乳
· お菓子
· 洗剤
といった、その日実際に買ったモノがそのまま残ります。

普段は「3,280円の支出」としてざっくり確認するだけで十分です。 けれど、「今月はちょっと使いすぎたかもしれない」と感じたときには、いつでも内訳に立ち返ることができます。
商品を記録したからといって、「物価高のせい」なのか「自分の買いすぎ」なのかをアプリが自動で白黒つけてくれるわけではありません。
それでも、
「前はこの商品、これくらいの値段だった」
「最近、これを買う頻度が上がっている」
「この店に行くと、つい余計なものを買ってしまう」
といった事実が手元に残ります。 ただ「食費が増えた」という漠然とした数字を見るよりも、自分の生活の変化を解像度高く捉えられるようになります。
家計簿をつける目的は人それぞれです。 節約のため、あるいは予算管理のため。
物価高が続く今の環境下で、私の原点になったのは、 「自分のお金は、一体どこへ消えているのか?」 というシンプルな違和感でした。
それを知るためには、「いくら使ったか」だけでは足りない。 「何を買ったのか」まで残せる家計簿が必要でした。
アプリはリリースしたばかりで、レシートの読み取り精度や商品データの整理など、まだまだ改善すべき課題は多くあります。
もし普段の買い物で、 「そんなに贅沢していないのに、なぜか生活費が上がっている」 と感じている方がいれば、一度「買ったモノ」まで記録に残してみてはいかがでしょうか。

